からんころん
「誠也くんっ…」
実果子は誠也のあとを追った。
けれど途中で見失った…。
こんなことになったのは自分のせいだと、実果子はひどく責任を感じていた。
「実果子ちゃん、今どこ!?」
授業が終わって千夏は実果子に電話をかけた。
実果子は街をさまよい歩いていた。
ずっと誠也を探していた…
「辞めるなんて冗談でしょ?」
実果子と千夏はカラオケボックスで合流した。
「誠也くんは私のせいで辞めることになったんだもん、私ももう居られない…」
「関係ないじゃん!あの人が勝手に言いたいこと言って…」
実果子は首を振った。
「なんで…、元々はあの人が実果子ちゃんのこといじめだしたんだよ!」
「……………」
実果子は何も言えなかった。
自分が犯人じゃないって誠也がわかってくれたことも…真犯人を目撃していたということも。
「…唄おうか!ね、せっかくだし。ピザもとろう!お腹すいたー」
明るく振る舞う実果子に、千夏の目が潤んだ。
「一緒に入学しようって言ったじゃあん…」