からんころん
「受験はやめないよ!…なんとか頑張ってみる」
「そうだ!お兄ちゃんに家庭教師してもらえばいいよ!あれでも頭良いんだよ。ねっ、そうしな?」
「う、うん…」
「それでさぁ……」
それより実果子は誠也のことが気になり、だんだん上の空になっていた。
会って謝りたかった…。
けれどあてもなくさまよい歩くしかないのか…
実果子は誠也のこと何も知らなかった。
深夜、千夏は早速晴紀に話した。
「俺はいいけど…、実果子ちゃん何かあったの?」
『実果子ちゃん…ずっとつらかったの』
「え、何…!?」
『お兄ちゃんっ!実果子ちゃんのこと慰めてあげてね!じゃっ』
「おいっ…」
いつものように、晴紀は千夏のペースにのせられていた。
居ても立ってもいられず、晴紀は次の日の昼休みに実果子が働くラーメン屋に食べに行った。
「ラーメンの特大ってあります?」
「あります…あ!お兄さん」
「やぁ。千夏にバイト先聞いたんだ」
「そうなんですか」
「うん。でさ…」