からんころん

「おねーちゃん、水ちょうだい」

「はいっ…」



お店は混んでいて1番忙しい時間だ。



「お兄さん、ラーメン特大でしたっけ?」

「うん。それとさ、何時に終わるの?」

「4時です」

「じゃあその頃迎えに来るよ」

「……?」



実果子は何のことだかわからなかった。





そして仕事が終わり、実果子はわけもわからず晴紀を待っていた。



晴紀はすぐに来た。



「お疲れさん、乗って」



言われるがまま、実果子は車に乗ったけれど…





「あのー…、今日、何でしたっけ?」

「家庭教師の件。実果子ちゃん塾辞めたんだって?」

「あー、はい…」

「なんかずっとつらかったんだってな。千夏が言ってたけど…」

「…いつも千夏ちゃんに助けてもらってたんです」

「そう…言ってたな、前も。…何があったの?」

「それは…その……」

「…言いたくなければ無理に言わなくてもいいけど…まぁ、ひとりで抱え込まない方がいいと思うよ」



ーーあなたの妹をかばって罪を被り、いじめられるようになってそれで…



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