からんころん

数日後、実果子は塾から呼び出された。




「実果子ちゃん、私ロビーで待ってるね」

「うん」



授業が終わり、生徒が帰った教室で実果子はひとり、塾長が来るのを待っている。


何を言われのか…実果子はドキドキしていた。







ーガラガラガラ…



入ってきたのは塾長だと思ったら、その人は実果子の横ひとつ空けた席に座った。




「…誠也くん!」

「よぉ」

「あのっ…私…ごめ……」

「ゲホッゲホッ」



その時、塾長が咳払いをしながら入ってきた。



「えー、今日はハッキリしたことを聞きたくて呼び出した」

「は?この前ハッキリ辞めるって言いましたよ」

「君はあれですませるつもりだったんですか?それに君は松井講師に暴言を吐いたことをまず謝罪するべきではないのか?」

「俺は間違ったことは言ってない!謝るべきなのはそっちだ!」



誠也の強い口調に塾長はひるんだ。



「…まぁ君が何を言ったか私は知らないが……君も辞めるということでいいのかな?」



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