からんころん

「はい…、辞めます」

「確か君は2度も受験に失敗しているね。本当に辞めていいのか?合格は有り得ないのでは…」

「そんな言い方しなくてもいいだろうが!」

「誠也くんっ…!」


声を荒げ、立ち上がった誠也は塾長に飛びつきそうだった。

実果子がとめ、誠也は席についた。



塾長はそれ以上何も言わず、2人にそれぞれ紙を渡した。



「…では、これに契約解除のサインを」



それを見て、改めて実果子は誠也を気にした。



「誠也くん、いいの!?」

「いいんだよ!おまえこそいいのかよ?」

「…いいんだってば!」



誠也はおもいっきりサインして、塾長に差し出した。

実果子も…。



「…はい。これで正式に解除となりました。残り半分の授業料は戻らないので悪しからず」



そう言い塾長はさっさと先に出ていった。






「あー!!スッキリした!!」



誠也は足を机に乗せ、体をのびのびと伸ばした。



「ごめん…、私のためにこんなことに…」

「おめーのためじゃねぇよ!そうやって責任感じて辞めたんなら俺許さねえぞ」



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