からんころん
「ち…違うもん!塾なんか通わなくても頑張って合格してみせるもん!」
「ならいいけど。俺も塾なんて本当は通いたくなかったんだ。それを親が無理やり…俺は受験なんかしない」
「え…?」
「だから俺のことは全然気にすんな。じゃあな」
誠也は帰っていった。
…これで本当に最後になるかもしれない。
…なんか妙に寂しくなって、誠也を追おうと実果子は慌てて教室を出たが…
「実果子ちゃん!」
千夏が教室のすぐ外で待っていた。
…話も聞いていた。
2人は帰り道にバーガーショップに入った。
「あの人…いつから実果子ちゃんの味方になってたの?…どうして?」
「それは……、わかってくれたの。私が犯人じゃなかったって…」
「…そうなんだ。…よかったじゃん、疑いが晴れて!」
「…うん」
それ以上は実果子は何も言えなかったし、千夏も何も聞かなかった。
「…お兄ちゃんの家庭教師はどうなった?」
「ああ、明日からなんだ。毎週土曜日に図書館で教えてもらうことになったの」
「へぇー。私も行っちゃおうかな!?」