からんころん

みんなの目が恐かったけど…



「ち…千夏ちゃんは?」



千夏と同じ学校の子に尋ねた。



「千夏?なんか知んないけど今日休むって」

「そ、そう…。ありがとう」



無視されると思った。



千夏に会えなかったのは残念だったけど…





「がんばれー」



教室を出ようとした時だった。
1人が発すると次から次へと…



「今までごめんねー」


「頑張って!」




思いもよらぬ、みんなからの謝罪とエールだった。
そして嘲笑いじゃなくて温かい笑顔…



「あ…ありがとう!」




実果子は嬉しかった。
なんか…信じられなかったけど本当に嬉しかった。


また頑張ろうって、勇気が湧いてきた。










「はい…実果子ちゃん!」



実果子は晴紀の所を訪れた。



「こんな時間にすみません、あの私千夏ちゃんに謝りたいんですけど…」

「ちょうどよかった!」

「へ?」

「まぁあがって」



実果子は千夏の家を尋ねに来ただけだったけれど…




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