からんころん
「え?…あ、ごめんなさい!なんでしたっけ…?」
勉強も身に入らない状態だ。
晴紀はそんな実果子のことがとても心配になった。
もしかしたら、留学した、音信不通の妹よりも…。
「…いさん、…お兄さん!」
「はっ…何?」
「ここはどうなるんですか?ってさっきから…なんか、お疲れですか…?」
「え?いや、大丈夫だよ、ごめんごめん」
晴紀もぼんやりしていた。これじゃ収拾がつかない。
「ごめんなさい、私のせいで…、千夏ちゃんのことが心配なんですよね…」
「違うよ、千夏のせいで実果子ちゃんに迷惑かけちゃって傷つけちゃったんじゃないか」
「違います!私の方が千夏ちゃんを傷つけてしまったんです」
晴紀は呆れて、
「はぁ。実果子ちゃんてどうしようもないお人好しだね」
「違います…」
「…腹が減っては戦はできぬ。今日はここまでにして飯食いに行こう」
「私はいいです。食欲ないし…」
晴紀はいきなり実果子の頬に手を当てた。
実果子はビクッとした。
「な、なんですか!?」