からんころん

「頬がこけてブスになってるよ」

「え?…いいんです。どうせ私なんか」

「実果子ちゃーん…」

「…今日は終わりですか?私帰ります」

「実果子ちゃん、冗談だよ!おーい…」










次の土曜日、実果子は図書館に現れなかった。


待てど待てど来ない…


晴紀は実果子に電話してみた。

すると…




「やめる…って、なんで!?」



実果子は、家庭教師も中止にし、受験もやめると言い出した。



「…俺がこの前ブスとか言ったから?」

『そんなんじゃありません。私千夏ちゃんをひどく傷つけちゃったし、お兄さんのお世話になるのはもう…』

「だからそれは!…お人好しも度を超すとただの頑固者だぞ?」

『べつにいいです。これが私ですから…』

「…大学絶対行きたかったんだろ!?」

『もういいんです。2度も失敗してまだやってやろうなんて往生際が悪いなって自分でも…』

「夢は?何か思いがあって…」

『そんなのありません、もう…いいんです!』



実果子はもう、なんだか投げやりになっていた。




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