からんころん
「はぁ…。そんなの実果子ちゃんらしくないよ。俺は待ってるからね」
ーー私らしいって…何だ?
実果子は考えた。
何の取り柄もない私の自分らしいって…
何があってもめげずに前に…進むこと…
「あの、もう閉館ですので…」
「あ…はい」
晴紀はずっと待っていたけど、とうとう図書館は閉まり、とぼとぼと出た。
「…本当に待ってたんですか!?」
「実果子ちゃん!」
外に実果子がボーっと立っていた。
「大遅刻だよ、実果子ちゃん」
「へへへ…」
「…戦、する気になった?」
実果子は首を傾げたあと、静かに頷いた。
「ばあちゃん、いつもの2つ」
「あら晴紀ちゃん」
晴紀は行きつけのそば屋に実果子を連れてきた。
「久しぶりだねぇ、実果子ちゃん」
「えっ、名前…」
「ああ、晴紀ちゃんがよく話してくれるから覚えちゃったんだよ」
「ばあちゃん…!」
「やだ悪口ですか?」
「まさか!晴紀ちゃんね、み…むぐぐぅぐ……」