からんころん
ヤキソバ
月日は流れ、季節はそろそろ冬めいてきた。
「あ、千夏ちゃんだ。おーい」
街で偶然会った実果子と千夏は近くのファミレスに入った。
「今日給料出たからおごるよ。好きなもの食べて!」
久しぶりの千夏とのお茶で実果子は嬉しくて張り切っている。
「おっとなー。じゃ遠慮なく~。えっとぉ、これとこれと……」
千夏は本当に容赦なく、遠慮しなかった。
「なんかごめんねー」
「い、いいってば、本当に!」
「私もバイトしよ。そしたら実果ちゃんにおごり返すね!」
「おー、楽しみーだけど、今はまだ受験勉強に専念しないと」
「あったりまえじゃーん。落っこちて人生躓きたくないもんね!」
「う…そうだね…」
「やだ、実果子ちゃんのこと言ってんじゃないよ!勘違いしないでね!」
「うん…」
「あ、そうだ。明日うちの学校文化祭あるんだけど、来ない!?」