からんころん
「…違います」
「あれ?えっと…たくやくんだ!」
誠也はそっぽを向いた。
「…ごめん。だけど俺、君にずっと謝りたかったんだけどなかなか会えないし…なんだ、ここの学校だったのか!」
「…違います。俺は焼きそばでも食おうかなってふらっと入って来ちゃっただけっす」
「違うのか、なんだ俺間違ってばっかだな。ははは…」
誠也は呆れた様子で
「人も間違ってるんじゃないっすか?俺そちらのこと知らねえし」
「あ、俺は谷塚晴紀つって、千夏の兄で…1度俺たち図書館で会ったじゃん!忘れちゃった!?」
「…ああ、そんなこともそんな名前もあったかもな。で、なんだよ?俺腹減ってんだ」
「あ、焼きそばおごるよ、どこで売ってんの?」
「マジで?あっちだよ」
誠也は急にハイテンションになり、晴紀を売り場に案内した。
一方実果子は、なんとか体育館に辿り着いた。しかし広さと人の多さに千夏を探し出すのは至難の業だった。