からんころん
「ははは、冗談返しだよーだ」
「ふっ…ざけんなよ!似合わねえよそんな冗談…俺帰る!」
「ああちょっと待って!」
「何だよっ!?」
晴紀は誠也に深々と頭を下げた。
「妹があんなこと、本当すまなかった」
「…やめろ、頭あげろ」
「ずっと気になってたんだ」
「…俺じゃねえよ、つらい思いしたのは…あいつだろ」
「あいつ?…ああ、実果子ちゃん?あっそういえば実果子ちゃん見なかった?一緒に来たんだけどはぐれちゃったんだ」
「…知らん」
「そう…、じゃ俺ちょっと探してくるわ」
実果子はまだ館内をさまよっている。
千夏は見つからない…晴紀ともはぐれたまま…
人の波に息苦しくなってきた実果子は、いったん外に出ようと思った。
その時、館内の照明が一斉に消えた。