からんころん
晴紀はひとりで帰っていった。
「……?」
その夜、7回目にしてやっと千夏に電話がつながった。
「感動したよー、千夏ちゃんてスターだったんだね!」
『それほどでもないよぉ』
「ううん、すごかった!…私なんかが千夏ちゃんの友達だなんて言っちゃっていいのかなって思っちゃう」
『何言ってんのー、友達じゃん』
「本当に?ありがとう千夏ちゃん」
『あ…実果ちゃんごめん。もっと話したいけど英会話の時間だ』
「そ、そっか。こっちこそこんな時間にごめんね!お互い勉強頑張ろうね、あっ!」
『何!?』
「お兄さん…今日会った?」
『お兄ちゃん?さっきちょっと来たよ。そういやなんか元気なかったな』
「えっ…やっぱり!?」
『やっぱりって、もしかして実果子ちゃん、お兄ちゃんのことふったとか!?』
「そんな…!私たちそういうんじゃないよ!それにそんな、そんな…」
『はははっ。お腹が減ってたとかじゃない?大丈夫だよ、お兄ちゃんは。じゃあね!』
「あっ、千夏ちゃん…」