からんころん
「ははは、何あわててんの実果子ちゃん。確かに俺は黒ばっかだったけど…たまには気分転換してみようかなって。やっぱがらじゃないかもな!」
「ううん、素敵です…!」
「ありがとう。さ、始めよう」
とは言っても…
晴紀であって、晴紀じゃないような…
この日、実果子は落ち着かず、勉強はほとんど身に入らなかった。
「はい、今日はここまでです」
「ありがとうございました…」
「何実果子ちゃん、元気ないね。疲れた?」
「そんなことないですっ!元気元気、はははー」
空元気は見え見えだ。
「…ならいいけど」
「おおお兄さんこそっ、何かあったんですか!?」
「え?」
その瞬間、晴紀の表情が強張り…実果子は聞いちゃいけなかったかなと後悔した。
「や…な、なんでもないです!」
「腹減ったなぁ。実果子ちゃん、飯食べてかない?」
「いいんです無理に話さなくても本当に………え?」
テンパった実果子だけど、次見た時は晴紀は笑顔だった。