からんころん
2人が訪れたのは、あのそば屋。
「いらっしゃいませー」
「ばあちゃんいつものふたつー」
「…晴紀ちゃん!?」
そば屋のおばあちゃんもいつもと違う晴紀に目をぱちくりさせた。
「はは、どうしたの、ばあちゃん」
「なんかねぇ、誰かと思ったよ」
「ヘン?」
「ううんー、やっぱりそういうのも似合うじゃないか、ねぇ若」
「はい、いい感じっす」
「よかった」
「実果子ちゃんもいらっしゃい」
「あ、こんばんは」
「そういえば今日千夏ちゃんが来たよ」
「千夏が?なんで?」
「お店を手伝ってくれたのよ」
「バイト?」
「ううん、ただ遊びに来てくれたんだけどね、ちょうど混んでたから千夏ちゃん率先して手伝ってくれたのよ」
「なんだあいつ…迷惑かけたんじゃない?」
「とんでもない。接客も上手だし、お店に花が咲いたようでお客さんも喜んでらしたのよ」
「はは、そんなオーバーな」
「本当だよ!晴紀ちゃん、いい妹さん持ったわよー。大切にしなさいよ」
晴紀は頷きながら、首を傾げた。
「…どうしたんですか?」
「あいつさ…」