からんころん

「なーに、おもしろそうじゃねーか」



そう言って、ボスらしきやつが俺に近づき



「あちっ…」

「はははははっ」

「あちっだって」

「はははははっ…」



タバコの火を俺の頭に押しつけた。


廃墟に鳴り響く高笑い…



そこへ



「誰かいるのか!?」

「やべっ」



巡回中のお巡りさんがやってきた。


俺の周りからやつらは消えた。


こんなのは慣れっこなようで、それぞれ隠れ場所へ一瞬にして逃げ込んだんだ。

俺はただ立ち尽くすだけだった。



「おい、君ひとりか!?」

「い…」



否定しようとすると、向かいの扉の隙間から凄まじく鋭い視線を感じ…



「……はい」



嘘を吐いた。



「こんな所で何…、何だこれは?中学生がタバコを吸ってはいけないことはわかってるな?」

「はい…」

「あーあー、こんなに散らかして…ん?」



お巡りさんが固まった。
手に取っていたのはタバコと…小袋に入った白い粉。



「君、これは…」

「…?」



俺を睨んで、いきなり身体検査が始まった。



< 97 / 227 >

この作品をシェア

pagetop