【短編】こんな恋もありでしょ。
「俺は覚えてるけどね」
……へ?
今、なんて?
「……覚えてる?」
「うん」
「なにを?」
「昨日、葵としたSEX」
「ぬぁ!?!?!?」
よくもまぁ、ストレートに!
「え? あんなに酔ってたじゃん!」
そうだよ、那央かなり酔ってた。
じゃなきゃ、何度も“葵”なんて呼ばない。
「あれ? 葵、酔ってて覚えてないわりには俺が酔ってたことは覚えてるんだ?」
クスクス笑う那央に、ハッとした。
本当だ。
あたし酔ってて覚えてないって、さっき言ったのに!