ハナ*ハナ
あたらしい、町へ
あたたかな
春の日だったとおもう。


俺が初めて
おゆきさんと出会ったのは。


いや、正確には
『出会った』のは
もう少しあとになるのだが
俺が彼女を初めて見かけたのは
やっとサクラも咲き始めた
冬から春へと移り変わる
おだやかな季節だった。




(平和な、町だな)



数年すんでは、次に移る・・・。
そんな生活をしていた俺たちは
まだこの村に着いて
ひと月もたっていなかった。


大きな都ほどの華やかさはないが
人と人とが往来し
活気にみちている。


気候もじめじめせずに
カラッとしていて過ごしやすい。






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