ハナ*ハナ
リュウは最初
その申し出を丁重にお断りしたが
夕刻になっても一向にやまず
さらに勢いをます雨足に
とうとう諦めたようだった。


『宿をとります』 と言った俺たちに


『そんなことは無用だ』と


その茶屋のご主人は
つよく俺たちに言ってくれた。


そのつよい申し出に、


「1晩、宿をお借りします」


頭をさげ
俺たちは結局
その老夫婦の使っていない長屋に
泊めてもらうこととなった。



< 13 / 93 >

この作品をシェア

pagetop