ハナ*ハナ
「あ、晴信、みて!ヒバリよ!」
すこし鼻にかかった
甘くやさしい声。
その声に思わず振り返った俺は、
はじめてそこで
彼女を知ることになる。
『彼女』------おゆきさんを・・・。
小柄で細い町娘だった。
春の訪れを告げる
ヒバリのような
彼女の高く、よく響く声。
そして若い娘が着るにはめずらしい
水浅葱色の着物は、
彼女の白い肌に、よく似合っていた。
( 春のような娘だな )
それが彼女の第一印象だった。
けれど何より、
ヒバリを指差した彼女の指先・・・。
細く、長く、
まるで天を仰いでいるかのように
空を指さしていた
その美しい指先が、
何よりも強く印象に残っていた。
すこし鼻にかかった
甘くやさしい声。
その声に思わず振り返った俺は、
はじめてそこで
彼女を知ることになる。
『彼女』------おゆきさんを・・・。
小柄で細い町娘だった。
春の訪れを告げる
ヒバリのような
彼女の高く、よく響く声。
そして若い娘が着るにはめずらしい
水浅葱色の着物は、
彼女の白い肌に、よく似合っていた。
( 春のような娘だな )
それが彼女の第一印象だった。
けれど何より、
ヒバリを指差した彼女の指先・・・。
細く、長く、
まるで天を仰いでいるかのように
空を指さしていた
その美しい指先が、
何よりも強く印象に残っていた。