ハナ*ハナ
消え入りそうな小さな声で
彼女は言った。


その言葉だけで
ほかの何を訊かなくても
彼女の心の声が
聴こえてきた気がした。


彼女の・・・・
晴信くんへの想いは
まだ続いている。


『ずっと好いていた相手の
 婚礼衣装を縫うんだ』と
 そう言っていた彼女が
 以外にもひどく冷静に見えた俺は


( 俺が考えるほど スキではなかったのか )


そういう疑念をいだいていた。

けれど、それは大きな間違いだった事に
気づかされた。





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