ハナ*ハナ
『幼なじみ』といっていたから
きっとずっと長い間
彼だけを想ってきたのだろう。

それこそ子供の頃から
ずっと、
ずっと、彼だけを・・・。


彼女の想いを考えると
なぜだか ひどく
せつなくなった。


今、一緒に歩いているのは俺なのに
彼女にとってはこの道も
晴信くんとの思い出でいっぱいだろう。


この道だけではない。


東も、西も。
北も、南も。
雲も、空も。
草も、花も。


きっとどこに行ってもこの町は
彼との思い出が
無情につまっているのだろう。




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