ハナ*ハナ
もたれかかっていた木から離れ
歩き始めた彼女は
1度だけ
その大きな木を振りかえり
また俺を
もと来た道へと
案内してくれた。



彼女の後ろについて歩きながら
そのとき俺は
やっと、わかった。


彼女が『ここ』に
俺を連れてきた理由。
それは多分
この話をするためだったのだろう。


彼女の想いの始まった
彼女の想いのつまった、この場所で



彼への想いを、断ち切るために・・・。
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