ハナ*ハナ
照れくさそうに
晴信くんが言う。


晴信くんから
1歩下がって立っていたその女性は
そう彼から紹介されると
こちらに頭をさげ


「お市と申します。」


と、丁寧に挨拶をくれた。


華やかさこそないが
彼女の清楚で誠実な人柄が
それだけでわかる気がする。


おゆきさんが
可憐に咲く桜の花だとしたら
彼女は凛と佇む
白梅のような女性だった。


「はじめまして、煉といいます。
 この度は
 ご婚約おめでとうございます!
 晴信くんとは
 ちょっとした知り合いで・・・。

 実はさきほど
 おゆきさんからお話を聞いて
 『おめでたい』と
 話していたばかりなんですよ。
 お会いできて、うれしいです。」



晴信くんとお市さんは
その言葉に微笑みながら
もう1度丁寧に頭を下げた。
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