ハナ*ハナ
どれほど時が、経ったのだろう。


「・・・・・・・」



「・・・・・・っ」



「おいっ・・・!」



「・・・・・・・」



「おきろッ!」



「・・・う~、あと少し・・」



半分まだ寝ぼけている俺に
リュウの声が聴こえてくる。



「・・・仕事だ」


リュウの低く
冷たい声色に
尋常じゃないことを感じ取った俺は
いっぺんに目が覚めて飛び起きた。


「5本松の3本目に、結んであった」


リュウが俺に向かって見せたもの。


それはちいさな白い
ヤマボウシの花だった。 

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