ハナ*ハナ
花と一緒に綴られた
1行の短い手紙を
リュウが読み上げる。


「依頼内容は
 『愛しい人の婚儀を取りやめてほしい』」


その手紙に
おれの身体は総毛だった。



( ・・・まさか・・・ )


その不安が的中するまでに
時間はかからない。


「差出人は・・・」


「言うなっ!!」


リュウの言葉を遮り
ヤツの持っていた
その手紙を奪い取った俺は
愕然とした。



「おゆき」

手紙に書いてある文字と
リュウの声が重なったとき


( ・・・うそ、だろ?・・・)


そのときの俺はリュウの目に
どう映っていたのだろうか。
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