ハナ*ハナ
「きょっ・・・
 今日はあたらしい草履でも
 見に行こうかと!」



(まずい・・・声が裏がえった!)


リュウがあんなことをいうから、
変に意識してしまうじゃないか!



「草履を?
 じゃあよかったらご一緒しませんか?」


「えっ、おゆきさんはどこにいくの?」


草履なんて見にいく気など
まるでなかったクセに
また気取った自分が
カオを出していた。



俺が行くあてもなく、
ただブラブラと
あるくことが好きなのを
彼女は知っている。


それなのに今は、
用もなくブラブラすることが
たまらなく恥ずかしく感じてしまい
思わずウソをついてしまった。
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