ハナ*ハナ
( 俺は、おゆきさんがすきだ )

いつからか俺は
自分の気持ちに
気づきだしていた。


彼女が泣いている姿は
見たくなかった。

彼女の笑顔を守りたかった。

彼女の願いを叶えたかった。


けれどそれは大きな思いあがり。


俺にはなんの、権利もない。

彼女の願いを叶えることも。

晴信くんを
愛する人から引き裂くことも。


そしてリュウの信念を
ねじ曲げようとすることも。



( ・・・ごめん・・・ )


そのことにやっと気づいた俺は、
ふたりのいるあの5本松へと
走り出した。


彼女に。

彼に。

そしてリュウに。


俺は心のどこかでわかっていたんだ。


( リュウが俺の願いを
  結局はきいてくれる事を・・・ )

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