ハナ*ハナ
息を切らしながら
そこで走るのをやめた俺は
ゆっくりとあたり一面を見渡した。



『 5本松のふもとから、1歩、2歩。

 左を向いて、あと10歩。

 そこからさらに、あと10歩。

 右を向いたらまた10歩。

 左を向いてあと10歩。

 大きな石を見つけたら、
 瞳をとじて、願いなさい 』



《5本松の3本目
 願いを叶える赤い花。
 それが淡く咲いてれば、
 願いを叶える合図となる》



わらべ歌のような、俺達のうた・・・。



「5本松の、ふもとから・・・」


俺は願いを叶えるその場所へと
1歩、2歩と踏み出した。


「左を向いて、あと10歩・・・」


歌のように唱えながら、
その約束の場所へとめざす。

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