ハナ*ハナ
「・・・彼女・・・」


リュウが俺に話しかける。


「笑っていたぞ」


「・・笑って・・・た・・・?」


リュウの言っている意味が
よく飲み込めない俺は
リュウの言った言葉を
そのままリュウに返した。


「笑ってたって・・・?
 ウソつくなっ!!」


俺はリュウに向かって
大声でわめき散らした。

「おゆきさんが人を不幸にする事を
 望むはずがないだろう!!
 おまえは彼女をしらないから
 そんな事を言えるんだっっ!!」



「煉、おまえ・・・やっぱり・・・」


リュウが半分あきれ顔で俺を見る。


「なんだよ!」


「おまえ、やっぱりあの
 『おゆき』とかいう娘がすきなのか」


・・・まさかこんなときに
そんな事のほうが気になる
リュウに俺は驚いた。


俺は出鼻をくじかれたような
感じになって
さっきまでの威勢はどこへいったか
萎縮しながらリュウに言った。
< 85 / 93 >

この作品をシェア

pagetop