ハナ*ハナ
「俺は願いを
『届ける』力をもっている。
 俺がその願いを
『叶えて』いるわけじゃない。
 依頼主の『願い』を俺が伝え、
 そして『天』へと
 その願いを運ぶものがいるんだ。
 そいつらが
 依頼主の『気』を喰らっているんだよ」



「・・・『気』を、喰う?」


「・・・オマエ、見たんだろ?
 今日俺が、彼女の願いをかなえてるとこ」


「・・・ああ」


覚えてる。

俺はそのときの状況を思い出した。

リュウが彼女の背に手を当てたこと。

するとそのあとすぐ
リュウの指先から
色とりどりの煙が
空へと昇っていってること・・・。


「そいつらが、決めるんだよ」


「そいつら?」


「煙、見えただろ?」


リュウは自分の手を指さした。


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