ハナ*ハナ
「あの煙は人の『気』だ。
 あいつらはそれを喰らい
 身にまといながら
 天へと帰っていくのさ」


「・・・それが、あの煙なのか」


「・・・依頼がきたあと
 俺はおまえに依頼主に近づいてもらい
 その人となりを知ってから
 依頼を受けるかどうか決めている。

 けれど、俺が依頼を受けても
 結局は『願いを運ぶそいつら』が
 最終的には決めるんだよ」


「『決める』って・・・何を?
 その『気』さえ喰わせれば
 願いは叶うんじゃないのか?」



「・・・『涙』だよ」


リュウは天を仰いだ。


「なみだ?」


「知られていないことだけど
 涙が1番、そいつの人間性を
 忠実に現すものなんだ
 それでそいつらは決めるんだよ」



「・・・決める?」


「・・・依頼を引き受けるかどうかだよ
 そいつらは依頼主の涙に溶け込み
 願いを天へと運ぶか決めるんだ。

 ・・・おぼえてないか?」


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