桜、ふわふわ ~キミからの I LOVE YOU~
って、ちょっと感動してたのに。


「教室にニューハーフおるー! って、思わず、探してしまったやん」


意地悪っぽい目で、からかうように言うイッペー君。


「そ、そんなにガラガラじゃないよ。コホッ、コホッ」


ムキになって答えながら、はねるようにして、イッペー君の方に近づいた。


なんかうれしい。

久しぶりに話せた……。



「のど飴いる?」

「あ、欲しい!」


カーディガンのポケットを探るイッペー君は、「あ……」と呟く。


「今、持ってへんわ」

「もぉ……なにそれー」



ほんといい加減なんだから……。



イッペー君の、のど飴欲しかったなぁ……。

なんてしょんぼりしていると、頭上から声が降ってきた。



「国語準備室にやったらあるけど。取りに来るかー?」


にんまり笑うイッペー君。



あたしは迷わず「うん」って大きく頷いた。


< 194 / 302 >

この作品をシェア

pagetop