桜、ふわふわ ~キミからの I LOVE YOU~
「え? ……そうだっけ?」


記憶をたどってみる。

うちの学校は、始業式の朝に新しいクラスが発表される。

クラス表は中庭の掲示板に張り出されるのだ。


なんだか緊張しちゃって、いつもより早く学校についたあたし。

その時間にはまだ中庭に生徒はいなくて、たしかにあたしは一人であの桜の木の下にいた。


あの日はすごく風が強くて。

風に乗った桜の花びらに見とれて、ぼんやりしていたんだ。


「思い出した。うん……。あたし、たしかにあそこにいた」
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