桜、ふわふわ ~キミからの I LOVE YOU~
なんとなくだけど、そう思った。

イッペー君はそれには答えなかったけど、「昔の話や……」そう言って、その話を切り上げてしまった。


なんでこんな話をあたしにしてくれたのか。


きっと理由なんてない。

ただ、今たまたまあたしがここにいたからそうしただけ。

多分あたしじゃなくても良かったんだと思う。


それでも……


「先生? その話、誰かにしたことある?」


「ないよ。サクラが初めて」


そう言われて、満足感みたいなものがこみ上げてくる。

一瞬だけ……イッペー君を独り占めできたような。

そんな気分に浸っていた。
< 45 / 302 >

この作品をシェア

pagetop