桜、ふわふわ ~キミからの I LOVE YOU~
教室を飛び出した。


その後のことはよく覚えていない。

どうやって家にたどりついたのかも。


よく我慢できたなって思うけど、

帰り道、一滴の涙すらこぼさなかった。


だけど、自分の部屋に入ったとたん、崩れるように床に座って……。


それからずっと泣き続けた。


言わなきゃよかった。


ずっと片思いでも良かった。


上手くいかない恋だってことはこの気持ちに気づいた瞬間からわかってたもん。


最初から見返りなんて求めてなかった。


誰にも知られずに、胸の中に芽生えた想いをただ大事にしたかった。


勝手に好きでいたかった。


それだけだったの。



“ごめん”なんて……聞きたくなかった。


そんな言葉で、あたしの気持ち

終わらせないで。


< 62 / 302 >

この作品をシェア

pagetop