Secret Romance*
「玉木ちゃん…俺の勝ちだねぇ」
場所は変わり、屋上へと招かれた。
「…どんな頭してんのよ…あんた」
「ん-…愛の為だったら頑張れるのさ」
「…胡散臭い」
新田の言葉に私は、目だけで睨み付けた。
「さて…玉木ちゃん…約束は覚えてるよね?」
ニコリと微笑んだ新田が、私の近くまで詰め寄って来る。
「な…何の」
「とぼけたってムダ。往生際が悪いぜ…玉木」
とうとう息が吹きかかるくらいの距離まで新田の顔が近づいた。
「…分かったわよ」
私は唇を噛んで頷いた。
約束したんだから…仕方ない
「あ…その前に」
―――?
「なんでテストの最終日の教科…俺と同時に始めたの?」
「…え」
げ…バレてる…
私の顔が青くなる…
まさか…
申し訳ないと思った…
なんて、今更言えない…
「玉木ちゃん…?」
「…煩い!
あんたのハンデなんかいらないって思ったのよ!」
噛みつくように新田に答えた。