Secret Romance*



「玉木ちゃん…俺の勝ちだねぇ」


場所は変わり、屋上へと招かれた。



「…どんな頭してんのよ…あんた」

「ん-…愛の為だったら頑張れるのさ」

「…胡散臭い」

新田の言葉に私は、目だけで睨み付けた。



「さて…玉木ちゃん…約束は覚えてるよね?」


ニコリと微笑んだ新田が、私の近くまで詰め寄って来る。



「な…何の」

「とぼけたってムダ。往生際が悪いぜ…玉木」

とうとう息が吹きかかるくらいの距離まで新田の顔が近づいた。



「…分かったわよ」

私は唇を噛んで頷いた。


約束したんだから…仕方ない



「あ…その前に」

―――?









「なんでテストの最終日の教科…俺と同時に始めたの?」

「…え」


げ…バレてる…


私の顔が青くなる…





まさか…
申し訳ないと思った…
なんて、今更言えない…










「玉木ちゃん…?」

「…煩い!
あんたのハンデなんかいらないって思ったのよ!」

噛みつくように新田に答えた。



< 42 / 77 >

この作品をシェア

pagetop