Secret Romance*
「ずいぶん時間に、ルーズなのね、意外」
私の皮肉めいた言葉を無視して、新田は正面に座る。
呑気にも、
「すいません、コーヒーひとつ」
なんて、注文までし始めた。
「…ムカつくやつ」
「で、俺がいなくて寂しかったの?」
――…!
「そんなわけあるか!」
「お-、今日は素全開だね」
ニコリと微笑む新田。
あぁ、もう…
むっかつく!!!
□
やがて新田がコーヒーを飲み終わるまで待つと、私たちはカフェを出た。
「寒…」
12月の風はやっぱり冷たい…
冬に外に出るのは嫌いなのに…
ハーっと感覚がなくなり初めてる指に息をかけた。
「玉木ちゃん」
――…?
その指を…いや手を、ギュッと掴まれる。
「…なによ」
「こうすれば恋人らしいんじゃない?」
その言葉と同時に、手を新田のコートに突っ込まれた。
――繋いだままで。
―――……!