Secret Romance*
「結局…あんたは何がしたいわけ?」
新田と街の中を歩き回ること、1時間…
果たしてこいつに目的地なんてあるのか?
とうとう聞いてみた。
「何って、デート?」
返ってきたその言葉に、顎が外れそうなくらい口が開いた。
「私…寒いんだけど?」
冬に出歩かない私には、重量なコートなんて持ってるはずもなく…
今日の格好は、薄いワンピースに、気休め程度に羽織ったボレロ…
わー、あったか-い
なんて、思えるわけがない。
「俺は暖かいよ?」
お前なんか、知るか。
私に比べ新田はなんとも暖かそうな格好…
スキニーのジーンズに、黒のロングコート…
首に巻いてるマフラーは何ですか?
カシミヤですか?
ヨン様巻きの白いマフラーがにくたらしい。
私は、辛口のファッションチェックをしながら、後ろから新田を睨み付けた。