オレンジ
クラス

「おはよう」



 クラスの仲の良い女子に声をかけるあたし。優木 真奈。
 特別うるさいってわけでもないし、静かってわけでもない。
 グループだって目立つわけではないし、大人しいってわけでもない。
 ほとんどが中心‥というか、真ん中ということ。


 
 真ん中は凄くいやすい立場。
 友達が喧嘩をした時も、あたしは真ん中にいた。
 どっちかに付くわけではないし、輪から外れて見守っているわけでもない。
 
 あたしの役目は伝言係や、両方との間を取り巻く係である。
 それだと、余計に喧嘩になってしまうのでは?
 と考える人がいるだろうが、全くそんなことはない。
 1番良いのは、輪から外れていることだが、毎回あたしを巻き込むため、1度もそんなことをしたことがない。



「おはよう、真奈! 今日、持って来たよぉーっ!」



 あたしに2冊のノートを渡した彼女の名前は、槙村 菜穂。
 幼稚園の頃からの付き合いで、気が合う元気な子。



「ありがと。やっと渡してくれたよー」

「え? そんなに渡してなかった??」

「もう2週間くらい待ったよ」

「菜穂はそういう子だから」



 あたしの肩をポンっと軽く叩いたのは、西野 千恵花。通称、ちえ。
 あたしのつるんでいるグループの中で、1番大人っぽくて、しっかりしてる子。




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