オレンジ

 田崎に任せたいところだけど、
 こういうことには何かとうるさいヤツだから、
 2人で共同作業を行わなければならない。

 どうして副委員になってしまったんだろうと、
 今さらになって後悔している。

 興味本位で立候補してみたけど、
 その後に学級委員に田崎が立候補して‥
 他にやりたい人がいなかったから、
 あたしと田崎に決まってしまった。


 あたしは嫌いってわけじゃなくて、
 ただ単に苦手なだけ。



「優木ーーっ!」



 話をしていれば、当の本人ご登場。

 いっきに皆の顔が曇る。



「今日よろしくなーっ! んじゃっ!!」



 それだけ言うと、
 田崎は自分のグループに戻って行った。



「何あれ‥」

「あれだけ言いに来たわけ?」

「ありえないんだけど」



 3人が思い思いに言い合う。

 あたしはそこまで思わないけど、
 3人の気持ちは分かる。

 あれだけ言う為に来るなんて、
 ほんっと田崎らしいっていうか、なんていうか。


 たまに、憎めない部分もあるけど。




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