青空
「ふーん…、お姉ちゃんがよく話題にする
はずだわ…」
まじまじと品定めをするかのように見られる。
「なんだよ、てかあんた何?俺に用?しかも
あんたのねーちゃんとか知らねーし。」
「あんたさっきから聞いてばっかだね。」
ぷぷっと笑った時に紗姫にできるえくぼが
すごく可愛く思えた。
「てかあんたじゃなくて萩尾紗姫。
あたしの姉は上原真姫。
そしてあんたに用があんの」
俺の質問に忠実に答えていく紗姫。
「上原…上原…もしかして?」
はっと顔を上げる。その顔を見て
紗姫はにやっと笑った後にこう続けた。
「そう、あんたの担当医の
上原真姫の妹の紗姫でーす!!」
まじっすか!!でも…
「なんで名字ちがうんだよ」
心で思った声が出てしまう。
俺の質問の後、紗姫の顔が雲ったのが
わかった。聞いてはいけないこと
だったのか、と思い
「やっ「離婚したの。」」
俺の〝やっぱいいや〟の声を遮り
紗姫は言った。