小悪魔な彼女


"1―C"と書かれた札が
教室の上に掛かってる。

ドアを開ける前に
大きく息を吸い込んだ。


(大丈夫、奈々。
今のあんたに
昔の面影なんて
残ってないから。)

自分に言い聞かす。


奈々が入ってきた途端、
ざわつく教室。


「・・うわ。やべぇ///」

「え、モデルかなんか
やってんじゃね?あの子。」


色めき立つ男子。



「超可愛い〜っ」

「・・同じ人類?」


ため息をつく女子。



奈々自身はそんな声に
気付くこともなく。

黒板に書かれた
座席表を見て、
自分の席に腰を下ろした。

.
< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop