虹の賢者
さっきまで大泣きしていた少女はどこへやら…


ディアナの顔に笑顔が戻った。

そしてよほどニコラスが頼もしく見えたのか、ぴったりとくっついて離れなかった。


「…にしてもひどいやりかただな… こんな小さな街から略奪するなんて」


ニコラスは怒りを覚えて、幼いころの記憶を少し思い出していた。


しばらく街を歩き、片付けを手伝いながらディアナの親を探し続けた。


家が崩れたのだろうか、がれきの山を横切ろうとしたとき、かすかに声が聞こえたようだった。
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