虹の賢者
「あなたが助けてくれたのね、ありがとう」


お礼を言われたことに少し照れくさくなったのか、小さくうなずいた。


「お礼をしてあげたいけど、街がこの状態じゃ…」


「いや、いいよ。お礼を言ってもらえただけでうれしいよ。」


どうやらディアナ一家は納得しなかったらしい。

ディアナは思い出したようにポケットから何かを取り出して、ニコラスに握った手を差し出した。


「何もお礼できないけど、これあげる。」

「なんだよ、別にいいのに…」
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