虹の賢者

黒の賢者

ここはシルバーグレイ大陸、時の流れに逆らうようにして存在する異世界の大陸。

そんな大陸の北のはずれに人のあまり訪れない屋敷がある

―人はその屋敷を“呪われし館”と呼んでいる―


その日は珍しく大陸に大雨が降っていて、例外なくこの館でも降っていた。

この館は人気がまるでなく、外壁は崩れ始め、ツタがところどころに絡まっていた。

「…あら、珍しいわ… 雷なんて」
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