堕ちる天使×美しき悪魔
「さぁな?俺は他の悪魔を見たことがないから」
「そう…」
「お前、名は?」
「リーザよ」
「俺はリオールだ」
リーザは声には出さず、試すように口パクで俺の名を呟いた。
そして、コクリと頷いた後
「いい名ね」
と満面の笑みで言った。
その笑みに
不覚にも俺はときめいてしまった。
「リオール!!」
「フィン…」
そういえばコイツ、どこ行ってたんだ??
「あ、ごめんなさい、あなたの連れだったのね。
…てっきり人間の子供に姿を見られたと思って、飛ばしちゃった」
リーザはフィンの姿を見て、あっさりと言った。
飛ばしちゃったって…。
確かに、フィンの体は強い魔力を受けたせいで、腕や足が透けていた。
「大丈夫?妖精さん」
「そんなに脆く出来てないよ」
「んっ?」
俺は違和感に気付き、声を上げた。
「何?」
「フィン、お前何か成長してねぇか?」
体つきが気持ち逞しくなり、少し声が低くなった。
「あぁ、お姉さんが僕にぶつけた魔力を少し吸収させてもらったからね」
なるほど。
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