堕ちる天使×美しき悪魔
そういえば昔聞いたことがある。


妖精は天使や悪魔の魔力を体内に取り込んで成長する―と。




「あなたのパートナー?
可愛い子ね。わたしのとは大違い」


リーザは無垢な瞳で聞いてきた。



"悪魔は美しい姿で敵を惑わす"

いつだったか親父が言っていた。




惑わされちゃいけない。



そうは思っても俺も男。

どうやってもドキドキしてしまう。




「…わたしのって…お前も妖精のパートナーがいるのか」

「いるよ。今喧嘩して家出中だけど」




妖精が家出って…。


まぁ悪魔と喧嘩できるんだから、たいしたもんだ。



妖精達はかなり気まぐれ屋だからな。




「…ねぇリオール。あなたはわたしに対して敵意を感じないの?」

「さぁ?俺強いし。お前怖くないし。
まぁお前が俺を惑わせて何かしようって事なら、話は別だが…」




俺は甘ったるい声で聞いてくるリーザを見た。



人間の女も男をオトすためにこんな声を出すらしいが…

さっきの悲鳴もこんな声だったし、地声らしい。




「何で?天使惑わして何するの??」


リーザは訝し気に首を傾げた。




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