堕ちる天使×美しき悪魔
俺は耳を疑った。
「…だ…だって…天使を惑わして力を閉じ込めれば、強力な魔力を手に入れることが出来るんだぞ?」
リーザはさらに怪訝な顔をする。
「わたし、そんなに弱くない」
どうやらリーザは俺と同様
強大な力を手にすることを許された逸材らしい。
ふとフィンを見ると、睨むようにリーザを見ていた。
「フィン…?」
「…ん…?」
「どうした?」
俺は小声でフィンに聞いた。
「あの人、嫌な気を発してる」
「嫌な気?アイツからか?」
「うん、けど悪魔の気じゃない」
「じゃあ何だよ?」
フィンはギロリとリーザを睨み、低い声で呟いた。
「妖精だ」
「妖精?」
「あいつ…」
「あいつ?」
「クルー」
フィンの口から出た謎の名前。
リーザが少し反応した。
「知り合いの名か?」
「んーん、何でもない」
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